2019年2月12日

柳生好之の記事がパスナビに掲載されました。

https://passnavi.evidus.com/article/advice_subject/201903/03/

★書き方だけで合否が決まる!? 論理的な解答を!

理路整然とした、わかりやすい答案を書くために

 記述解答を書くときに「なんとか部分点をとりたい!」と考えて、本文の表現をたくさん拾い、ツギハギのような解答を書く人がいる。しかし、そのようにして作られた解答には低い点しか与えられない。「模範解答は自分も見つけた表現で書かれているのに、なぜ自分の答案は点数が低いのか」と悩む受験生は多い。そのような答案は「単語」のレベルで見ると模範解答に近いように見えても、「文法」「論理」のレベルで見ると、実は日本語文の体をなしておらず、意味不明なものになっているのだ。文は「文法」「論理」といった構造が「意味」を決定している。つまり、本番で自分の解答を書くとき、あるいは自分の解答を読み直すときには、「文法」「論理」に注意することが鉄則となる。答案を書くときは「必ずミスがあるはずだ」と考えて見直しをしてもらいたい。自分のミスの傾向がわかっていれば、本番でも自分のミスに気がつき、あと数点は稼ぐことができる。制限字数の中で、できるだけポイントを詰め込もうとするのではなく、必須のポイントに絞り、よく整理されていてわかりやすい答案を書こう。

差がつくポイントをチェック!

ここで 差 がつく! TOP1
内容説明問題は2つの事柄の差異に注意せよ!

 「どういうことか」を説明する問題では、2つの事柄(AとB)の差異を説明する問題が頻出である。この差異を説明するフレームは2つある。1つは「AはXであるのに対し、BはYである」、もう1つは「AはXのみであるのに対し、BはXかつYである」というフレームだ。後者はフレームを知らないと解答が思い浮かばない。また、後者で説明しなければならない差異を前者で説明すると、一見正しい解答のように見えても合格点は得られない。大学入試では後者のほうが頻出であることも覚えておこう。

ここで 差 がつく! TOP2
理由説明問題は論理の飛躍を埋めるべし!

 「なぜか」を説明する問題は、飛躍した主張を論証する問題である。これを事実的な因果関係を説明する問題だと勘違いすると、点がとれない解答になってしまう。傍線部の文には「A(前提)→X(帰結)」と飛躍している部分があるので、帰結を導けるように前提を補足する解答を書こう。例えば、「記述問題は(前提)→簡単だ(帰結)」と飛躍した主張の論証は、「記述問題は(前提)→本文中に解答の根拠があり、それを見つけると正解できるので(前提の補足)→簡単だ(帰結)」というものである。

ここで 差 がつく! TOP3
心情説明問題は因果関係に注意せよ!

 小説や随筆で出題される「心情」を説明する問題は、心情が発生する原因まで含めて説明する必要がある。その際に原因が1つとは限らず、複数存在する場合がある。例えば、「好きな子が現れた(原因)」→「悲しかった(心情)」のような因果関係には飛躍がある。そこで、他の要因(事情)があることに着目し、「好きな子が現れた(原因)」+「転んだときの怪我で顔が腫れていた(事情)」→「悲しかった(心情)」というように解答する。解答を書くときは、他の要因がある可能性も考えよう。

ここで 差 がつく! TOP4
全体把握問題は部分把握問題から考えよ!

 「全体の論旨を踏まえて説明せよ」という問題は、一から読み直さなければならない問題ではない。あくまで傍線部の説明をするということを忘れてはならない。「全体の論旨を踏まえて」とは、傍線部の説明をしている箇所が本文全体に分散しているということだ。この問題は最後に出題されることが多いが、解答の根拠はすでに他の設問でとらえている場合も多い。まずは傍線部の説明を近くから探し、次に他の設問でとらえた箇所に目をやるという順で探すと、解答の根拠をとらえることができる。

絶対厳守! 答案作成の基本ルール

その1
「主語」は1つ、「述語」は2つまでにする!

 主語が途中で変わるような文を書こうとすると主述の不一致といったミスを招きやすいので、なるべく主語は一貫させよう。述語も2つまでと決めておくと、主述の不一致というミスがなくなる。

その2
「修飾語」の位置に注意して書く!

 修飾語はなるべく被修飾語の近くに置こう。修飾語が被修飾語と離れすぎてしまうと、係り受けが不明瞭になる。そのような文は他の解釈の可能性が生じてしまうので、減点の対象となる。

その3
「本文の文法構造」に忠実に書く!

 格助詞や接続助詞が作り出す文法構造に注意したい。体言や用言のレベルで見ると正解に見えても、格助詞や接続助詞が誤って用いられていると正しい意味は伝わらず、減点は避けられない。

その4
「論理フレームワーク」に注意して書く!

 「AではなくB」や「AだけでなくBも」といった論理構造(=論理フレームワーク)に注意しよう。前者は「否定(でない)」であり、後者は「連言(かつ)」であるため、意味がまったく異なるのだ。

その5
「具体例」や「比喩表現」を解答に入れない!

 「比喩表現」は本文の文脈を離れると意味をなさず、また具体例もまとめの表現と離れると意味をなさない。そのような表現を記述解答に入れると意味がわからなくなるので注意したい。

その6
「文末表現」に注意して解答をまとめる!

 「どういうことか」という問いに対しては「~ということ。」、「なぜか」という問いに対しては「~から。」と解答をまとめる。こうした文末表現が間違っていると減点されるので注意しよう。