2017年2月10日

柳生好之の記事がパスナビに掲載されました。

https://passnavi.evidus.com/advice_subject/201703/03/

国公立大の2次試験や難関私立大で出題される「記述式問題」。マーク式とは違って自分で答案をまとめる記述式問題で最大の得点を獲得するには、答案作成の技術を磨き上げておく必要がある。そこで、受験指導で気鋭の先生に、記述式問題の得点アップにつながる答案作成上の最重要ポイントを教えていただいた。

 答案を作るときに、「自分よりも課題文を理解していて、なおかつ優秀な人間が読むのであれば、この答案でわかってくれるだろう」と考えて、先生に読んでもらうようなつもりで書く人が多い。ところが、これは大きな間違いだ。実際には「課題文を読んでいない一般的な人間が読んでも理解できる答案」、つまり「わかりやすい答案」を書くことが求められているのだ。

得点アップ POINT 1
内容説明

指示語や比喩表現に
注意してまとめる


 「どういうことか(どういう意味か)」を説明させる内容説明問題は、2次試験では最もオーソドックスな設問だ。この問題に対してはまず、傍線部を含む一文の構造を分析して、傍線部が文のどこに位置しているのかをとらえよう。差異の構造や類似の構造を説明する問題は頻出だ。次に、ポイントとなる指示語や比喩表現、筆者が特殊な定義で用いている用語などがあればチェックする。そしてそれらの指示内容、比喩の説明、用語の定義文などを本文中から探そう。最後に、「誰が読んでも理解できる説明」になるように、わかりやすい構造・内容を意識して解答を作成しよう。

これはダメ!
比喩表現や特殊な定義で用いている言葉をそのまま解答に使ってはダメ。必ず説明を加えよう。

得点アップ POINT 2
理由説明

「論理の飛躍」をとらえて
それを埋める説明を探す


 「なぜか」を説明する理由説明問題は、2次試験の中でも難しい問題だ。この問題に対してはまず、傍線部を含む一文の構造を分析して、論理が飛躍しているところをとらえよう。論理の飛躍とは、例えば「東大に合格する(前提)のは、簡単だ(帰結)」というような前提と帰結がつながらない部分である。飛躍が分析できたら、次は前提と帰結の飛躍を埋める説明を探す。前提部分をより詳しく説明している箇所を本文中に求めよう。先ほどの例でいうと「東大合格」について詳しく説明している文を探すとよい。最後に帰結にきちんとつながるように意識して解答を書こう。

これはダメ!
帰結を導くのに必要のない(=否定しても帰結を導ける)情報を書いてはいけない。

得点アップ POINT 3
心情説明

心情に至るまでの
因果関係を明確にして書く


 小説文や随筆文では、心情やその理由を説明させる問題は頻出である。この問題に対してはまず、傍線部を含む一文を分析して、傍線部が「原因(事態、事情)」なのか「心情表現」なのか「結果(行動、反応、発言)」なのかをとらえよう。次に、心情を中心とした因果関係を構築するために、解答の根拠を本文中から探そう。その際に注意するべきなのは、「心情の原因は何か」「心情は変化しているか」「原因となる特殊事情が複数ないか」「心情が複数交錯していないか」ということだ。最後に心情や結果(行動、反応、発言)に至るまでの因果関係を明確にして解答を書こう。

これはダメ!
雰囲気や感覚で心情をおしはかってしまうのはNG。必ず本文中から「根拠」を探そう。

得点アップ POINT 4
要約・要旨

「分類系」か「論証系」かを
意識して課題文を読む


 課題文の全体を要約する問題では、2種類の読み方が必要になる。一つは「違い」の説明をしているのか、または「類似」の説明をしているのかということを意識して、内容を整理・分類していく読み方だ。もう一つは筆者の主張に対して筆者が主張の根拠を述べる論証という構図に注意するという読み方だ。課題文が「分類系」なのか「論証系」なのかを意識して読んでいこう。また、「全体の論旨を踏まえて」説明する問題については、ほとんどの場合が最後の設問であるから、その問いに至るまでの設問や解答にヒントがないかと考えて解答を構成するとよい。

これはダメ!
課題文の最初と最後をただつないだだけ、といったような安直な答案を書いてはいけない。

CHECK!
合格答案セルフチェックシート

合格答案セルフチェックシート